【図解:3分で解説】インダストリー4.0、ソサエティ5.0とは【内容と事例、日本の取組みを紹介】

最近話題のインダストリー4.0およびソサエティ5.0の概念を、図解を用いて分かりやすく説明します。

インダストリー4.0(Indusutroy 4.0)はドイツで、ソサエティ5.0(Society 5.0)は日本で提唱された概念です。

インダストリー4.0の方が有名です。

耳にしたことがある人も多いかと思います。

一方で、最近は新聞で「ソサエティ5.0」という言葉がよく掲載されています。

ですが、きちんと知っている人は少ないのでは、と思います。

本記事ではこれら2つの概念について説明します。

「インダストリー4.0と言うけれど、1.0~3.0は何?」

「ソサエティ5.0ってあるけど、誰が言い出して、そもそも1.0~4.0って何?」

本記事を読むことで、それらが簡単に分かるように、図解説明いたします。

インダストリー4.0(Indusutory 4.0)の内容

インダストリー4.0はドイツで提唱された「これからの製造業や産業のあり方」です。

4.0の前に「インダストリー1.0~3.0」について説明します。

インダストリー1.0は、およそ西暦1800年にイギリスで始まった、石炭とタービンを用いた蒸気機関による「産業革命」を意味しています。

この産業革命により、機械が生まれました。

また、社会環境の変化としては、資本家と労働者の階級が明確に生まれ、株式会社や企業という制度が明確に生まれました。

インダストリー2.0は、およそ西暦1900年に始まった、発電機とモーターを用いた「電気機械の発明(第二次産業革命)」を意味しています。

この第二次産業革命を継起に、フォード式の大量生産といった、20世紀型の機械産業が生まれました。

さらに、GEような巨大企業が生まれました。

インダストリー3.0は1995年のWindows95を継起とした、「IT革命」です。

これはインターネットの普及と、半導体の縮小化がきっかけです。

パソコンが普及し、仕事内容を電子情報として扱うようになりました。

その結果、産業も Computer-aided engineering(CAE)と呼ばれ、CADを用いて電子データで部品を設計し、自動で設計図どおりに部品が作られるようになりました。

また、GoogleやFacebookのような巨大企業が生まれました。

そして本題のインダストリー4.0は、現在進行中で、今後さらに発展していくであろう、「第4次産業革命」のことです。

第四次産業革命は、「Deeplearningを中心としたAI技術の進歩」と半導体の縮小化と無線ネットワークの進歩による「IoT技術(Internet of Things)の発展」がきっかけです。

その結果、工場で行っている労働者の知的活動を、機械が代わりに行えるようになりつつあります。

ドイツでは「スマートファクトリー」という概念で提唱されています。

マーケティング→注文→生産→物流→アフターサービスの一連の流れに、できるだけ人の手をかけず、機械とAIが自動的に情報を受け渡して、顧客ひとりひとりの要望に合わせたカスタム製品を、自動で製造する工場の実現です。

さらにIoT技術を用いて、工場の機械にセンサをとりつけ、機械の磨耗具合をインターネット上のクラウドサーバーにデータを送ります。

そしてAIを用いて、あとどれくらいで故障しそうかを予想し、事前に自動で装置を交換するようなシステムを実現させます。

すると半永久的に勝手に工場が生産してくれるようになります。

このようにインダストリー4.0とは、製造業で人の知的作業や器用さを必要としていた作業を、AIとIoT機器によって代替していく産業革命です。

ソサエティ5.0(Society 5.0)の内容

ソサエティ5.0は日本で提唱された概念です。

ほぼインダストリー4.0を真似しているのですが、より広い概念をとらえています。

ソサエティとは日本語で「社会」を意味します。

まずソサエティ1.0から4.0を説明します。

ソサエティ1.0は狩猟社会です。

縄文時代のイメージです。

ソサエティ2.0は農耕社会です。

弥生時代から江戸時代までのイメージです。

村社会が生まれ、農作物の貯蓄が可能になり、その防備のために武士が生まれ、武家社会が生まれました。

ソサエティ3.0は工業社会です。

明治時代から昭和までのイメージです。

文明開化に始まり、戦後の重化学工業が生まれた社会です。

ソサエティ4.0はIT革命によって生まれた情報社会です。

平成のイメージです。

IT革命により、インターネットと携帯電話が普及し、仕事内容が情報データ化された時代です。

このIT革命を期に、サービス業の発展や、楽天、ソフトバンクなどの大企業が出現しました。

ソサエティ4.0とインダストリー3.0はほぼ同じ概念です。

そして「ソサエティ5.0」はこれから日本が目指していく「超スマート社会」のことを意味しています。

AIとIoT技術を生かして、知的システムを構築します。

そして、製造業のみならず、経済対策や健康対策など、人々のありとあらゆる生活を知的システムで補助した、「超スマートな社会」を目指します。

産業のみならず社会全体を指している点がインダストリー4.0との違いですが、ほぼ同じです。

このようにAIとIoT技術により、人々の知的作業を代替・支援してくれる知的システムがあふれた社会を「ソサエティ5.0」と呼びます。

以上、インダストリー4.0とソサエティ5.0について紹介しました。

インダストリー4.0とかソサエティ5.0とか聞きますが、AIとIoT技術を基にした、スマートシステムを利用した社会のことです。

個々の事例は、まだまだ発展途上なので、今後のお楽しみかと思います。

そして、これからのインダストリー4.0、ソサエティ5.0の世界を生きていくには、これらの流れに乗り、時代に必要な力を身につけることが大切です。

具体的にどのような能力が必要かについて、以下の記事でまとめています。

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