本記事ではロジカルシンキングのベースとなる「推論力」について、その詳細と鍛え方、おすすめ本を紹介します。
はじめに、推論力の説明と、例題を紹介します。
後半では推論力の鍛え方、おすすめ本を紹介します。
推論力とは
推論力とは「答えのある問題」において、答えにたどり着くのに必要な全ての情報が与えられている状態で、情報を整理して答えを導く能力です。
例題を紹介します。
推論力 例題1
Aさん、Bさん、Cさんがいます。
・AさんはBさんより背が高いです。
・Cさんは3人の平均よりも身長が低いです。
誰が一番背が高いでしょう?
答え:Aさん
これは、すぐに分かる問題ですね。
このタイプの問題をさらに難しくして、情報が複雑で多数になった場合でも、きちんと整理して答えにたどり着く力が必要となります。
もう一問、今度は少し難しい問題を紹介します。
推論力 例題2
(紙とえんぴつを用意して取り組んでみてください)
Aさん、Bさん、Cさんの3人が並んでいます。
それぞれ青、白、茶色のいずれかのお皿を持っています。
各お皿の上には、リンゴ、カキ、ナシの果物のいずれかがあります。
・Aさんは一番左端にいます
・Bさんはリンゴを持っている人の左隣にいます
・カキを持っている人は青い皿を持っています
・Cさんは茶色の皿を持っています
・青い皿の人は白い皿の人の左隣です
さて、ナシを持っているのはAさん、Bさん、Cさんのどなたでしょう?
答え Bさん
このように「推論力」とは与えられた情報を整理して、答えを求める能力です。
この例題がすぐにできる人はまずまずの推論力があると思います。
逆に、このレベルの推論問題がすぐ解けないと、推論力のある人と同じ速さでコミュニケーションがとれず、ロジカルシンキングの舞台にあがれません。
そのため、推論力はビジネスでは最低限必要なスキルです。
極論を言うと、現在の日本の教育は、公式や教科書の内容の「記憶力」と、問題文の情報を整理して、使うべき公式を選択して答えを求める「推論力」だけで、ほぼ100点が取れます。
そのため、「偏差値」と「推論力」の相関関係はかなり強いです。
だからこそ、日本の新卒採用は、偏差値をベースとした学歴フィルターをかけ、ビジネスに必要な問題解決能力のベースとなる「推論力」が高いと思われる「偏差値」の高い学生を優先して採用します。
それでは次に、推論力の鍛え方とおすすめの本を紹介します。
推論力の鍛え方とおすすめの本
推論力には、数学的推論力と言語的推論力があります。
数学的推論力は与えられた情報を整理して答えを求めます。
先ほどの例題のような問題です。
一方で言語的推論力では、長い文章から何が言えるのか、一度文章を取り出して情報の形にしてから、推論する必要があります。
そのため、数学的推論力問題の方が簡単です。
推論力の鍛え方を説明します。
推論力を鍛えるには「良い問題をたくさんこなす」しかありません。
ただし、学校の勉強で算数や数学の得点が高かった人は「推論力」が高いので、それほど時間をかけずに、次のロジカルシンキングへと進むのが良いです。
一方で「自分は論理的思考力が弱いな~」と感じる人や、数学が苦手だった人はしっかりと問題をこなすのが、上達への近道です。
1日に少しずつで良いので、問題に取り組んでください。
最もお勧め本は以下です。
公務員試験の問題集ですが、推論問題を集めたものになります。
この本の10章までを一通りすることで、推論力がしっかり身につきます。
11章からは空間図形なのでやらなくて良いです。
次の2冊は推論問題がたくさん掲載された本です。
簡単な問題から、かなり難しいものまであります。
必要に応じてこれらの2冊も行い、数学的推論力を鍛えます。
そして最後にこの本で、言語的推論力を鍛えます。
この本は「言語的推論力」を鍛えるとともに、5章からはロジカルシンキングの話題が掲載されており、推論力とロジカルシンキングの橋渡しをしてくれる良い本です。
以上、推論力の説明でした。
推論問題が苦手な人は紹介した本を購入して1日数問、10分間ずつでも良いので、トレーニングを積んでください。
見違えるように、力がつきます。
次のページでは、ロジカルシンキング能力の説明と身につけ方、おすすめ本を紹介します。
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