「論語」の各章の意味を、AI時代の文脈で読むとどう意味しているのか、子供にも分かるように紹介します。
本日は、学而篇の第4章、「三省吾身」です。
学而篇 第4章
吾れ(われ)日に三たび吾が身を省みる、
人のために謀(はか)りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしかと。
(意味)
私はいつも自分の行為の振り返り(セルフチェック)をしている。
他人のためによく考えて誠実に対応したか、
親友と関わるときにきちんと約束を守ったか、
自分が学んで浅くまだ身についていないことを他人を教えていないか。
(説明)
日に三たびは、1日に3回という意味でなく、日に何度もという意味です。
例えば、「再三注意したのに彼はそれを無視した」と今も使うように、三度は何度もという意味です。
謀(はか)りては、「計画する」や「よく考える」という意味です。
忠は誠実という意味です。
信は約束を守るという意味です。
習は、学而第1章の「学習」でも使用したように、復習して身につけるという意味です。
この章は孔子の言葉でなく、弟子の曾子の言葉です。
またこの「三省吾身」は三省堂書店の名前の由来にもなっています。
後半の3つの例はもちろん重要ですが、一番大切なのは1文目の「わが身を三省する」という部分です。
大切なことや学んだこと、目標をいつも気にして、自分がそこに向かえているかをセルフチェックすることの大切さを説いています。
論語の学而篇第4章は、
◎目標に対して、セルフチェックを日々行なう
ことの大切さを伝えている章になります。
AI時代の読み方
この章をAI時代の現代の文脈で考察します。
わが身三省するとは、セルフチェックをして改善していくという意味です。
AI時代の前からビジネスにおいては、PDCA(Plan, Do, Check, Action)のサイクルを回すことの大切さが認識されています。
ですが、AI時代ではこのPDCAサイクルを、仕事以外の人生すべてに適用することが重要です。
AI時代においては、書籍ライフシフトでも述べられていたように「マルチステージ制の人生」が待っています。
マルチステージ制とは、新入社員から定年まで一つの会社で働くのでなく、途中で転職したり、独立したり、大学に行きなおしたりする人生のことです。
会社の業務でだけPDCAを回していては、このようなマルチステージの人生を上手く乗り越えられません。
きちんと人生戦略を考えて、人生のPDCAを回し、「わが身三省する」ように、目標と自分の現状とのギャップを把握することが重要となります。
そのためには数年後のビジョンを描き、本年の目標と今月の目標を設定し、今週の目標を設定します。
そして、毎日の行動と時間の使い方を毎晩セルフチェックします。
●きちんと今週の目標を達成できるように行動できているか
そして、
●ありたい自分の行動ができているか
を確認し、改善・修正することが大切です。
この先のAI時代では、人生戦略のPDCAを回し、「わが身三省する」態度で自分を改善する姿勢を持つことが大切です。
まとめ
吾れ(われ)日に三たび吾が身を省みる、
人のために謀(はか)りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしかと。
(意味)
私はいつも自分の行為の振り返り(セルフチェック)をしている。
他人のためによく考えて誠実に対応したか、
親友と関わるときにきちんと約束を守ったか、
自分が学んで浅くまだ身についていないことを他人を教えていないか。
論語の学而篇第4章は、
◎目標に対して、セルフチェックを日々行なう
ということの大切さを伝えている章になります。
戦略的に人生を構築することが求められるAI時代だからこそ、しっかりと計画と人間性を改善できるように「わが身を三省する」ことが大切です。
⇒次のページへ
⇒TOPページへ