マインドフルネスについて、その効果とやり方、おすすめのアプリを紹介します。
また、私が毎晩実践している、マインドフルネスとストレッチを兼ねた「おすすめ方法」も紹介します。
「マインドフルネス」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
似た言葉では、瞑想、メディテーションとも呼ばれます。
最近ではGoogleで取り入れられていたり、スティーブ・ジョブズも実践していたと聞いて、興味がある方も多いと思います。
一方で、
「なんだか怪しい、宗教っぽい?」
「瞑想や座禅やヨガと何が違うのだろう?」
そんな思いの方も多いと思います。
ですが、マインドフルネスは列記とした科学的手法であり、たとえばNHKの科学番組サイエンスZEROでも取り上げられています。
こうした番組を見て、マインドフルネスに興味を持ち、「本を読んで、自分でやってみた」という方もいらっしゃると思います。
ですが、
「そもそも自分のやり方で、マインドフルネスがうまくやれているのか分からない」
「2、3回やってみて、もうやめちゃいました」
そんな人も多いと思います。
このように「マインドフルネス」という言葉はポピュラーになってきましたが、
・実際の中身や効果、実践方法がよく分からない
・習慣化が難しい
という意見が多いです。
ですが、マインドフルネスを習慣化できると、生活の質、とくに知的生産性や脳の疲労回復に非常に役立ちます。
本記事ではそんなマインドフルネスについて分かりやすく説明し、誰でも習慣化できる実践方法を紹介します。
本記事ではまず、
①マインドフルネスがいったい何なのかを説明します。
そして、
②マインドフルネスの一般的なやり方について説明します。
次に、
③マインドフルネスの「効果」を研究結果を用いて説明します。
そして、
④誰でも簡単にマインドフルネスを実践・継続できる方法を説明します。
ここでは、うまくアプリを活用することで、誰でも簡単にマインドフルネスを実践する方法を紹介します。
⑤最後に、私が毎晩実践しているストレッチ&マインドフルネス法を紹介します。
ストレッチとマインドフルネスを組み合わせた方法で、忙しい人でも効率よく、身体と精神を回復させる方法になります。
それでは、よろしくお願いします。
マインドフルネスとは
まずはじめに、マインドフルネスがいったい何なのかを説明します。
マインドフルネスをそのまま日本語に直訳すれば、「精神の充実」となります。
ちまたの説明では、
「マインドフルネスとは座禅やヨガなどの瞑想法から、宗教性を排除したものです」
と書かれています。
ですが、これを聞いても、はっきり言って、よく分からない説明です。
一方で、私なりに説明すると
「マインドフルネスとは脳の休息法です」
「脳の休息法」というと分かりやすいです。
激しい運動をして身体を酷使した後は、身体を休息させます。
これと同じです。
Googleをはじめ、現在のほとんどの企業での仕事は、「高度な知的作業」であり、脳を酷使します。
この疲労した脳を休息させる方法が「マインドフルネス」です。
それでは「マインドフルネスとは具体的にどうやるのか?」について、次に説明します。
一般的なマインドフルネスの方法
マインドフルネスの方法として、一般的な解説書では
「いま、ここにある自分の感覚に集中する」
「呼吸に集中する」
などのやり方が書かれています。
①基本姿勢として、椅子に座り、背もたれにもたれず、背筋を軽く伸ばして座り、目は閉じます
②リラックスして、自然に呼吸します
③何かを考えるのではなく、自分の呼吸に集中し、吸っているのか吐いているのかを感じたり、喉を通る空気の流れる感じや、呼吸で動く自分の胸のふくらみとへこみを意識します
④雑念が浮かんだら、雑念を浮かんだな~とという事実に気付き、注意を呼吸に戻します
これを5~10分間、毎日続けます。
これが一般的なマインドフルネスの方法です。
この方法は「呼吸に集中する」というマインドフルネスの「基本その1」になります。
また、自分の手や足の感覚に神経を集中して、どんな感触を覚えるのかを意識する「ボディスキャン」という手法もあります。
一般的な本にはこんな感じでやり方が説明されていますが、これを自分一人で実際にやるのは難しいです。
後ほど、もっと簡単な方法を紹介します。
ところで、「なぜこのマインドフルネスで、仕事や知的作業で酷使し疲労した脳が回復するのでしょうか?」
これは説明がなかなか難しいところです。
そもそも「脳ってなんですか?」っていうところから考える必要があります。
非常に答えが難しいですが、私は「脳とは未来予測装置である」と考えています。
脳の働きを説明すると
①:自分の過去の経験を振り返る
②:未来に起こりそうなことを考える
③:過去と未来の情報から、生存に最適な行動や思考を決定する
このように、脳の働きは生存のための最適な行動を決定する未来予測装置ととらえることができます。
この脳の働きを休めてあげるには
①過去を振り返ることをやめる
②未来を考えることをやめる
ことが重要です。
これはつまり、過去と未来を考えず、「現在という状況・感覚」にのみ注意を向けるということになります。
これこそがマインドフルネスの狙いであり、「いま、ここにある自分の感覚に集中する」という意味です。
その結果、脳の通常の働きである未来予測機能を停止させ、脳を休めることができます。
次に、マインドフルネスをすることでどのような効果があるのか、研究結果を紹介します。
マインドフルネスの効果に関する最新研究結果
マインドフルネスに関する最新の研究成果を分かりやすく説明します。
fMRIと呼ばれる装置で神経活動に伴う血流変化を測定すると、マインドフルネスをすると脳活動が変化することが確認されています。
[Sperduti, Marco, Penelope Martinelli, and Pascale Piolino. “A neurocognitive model of meditation based on activation likelihoodestimation (ALE) meta-analysis.” Consciousness and cognition 21.1 (2012): 269-276.]
さらに8週間のマインドフルネスを実施していると、大脳皮質の神経が変化し、神経が発達して脳の皮質が分厚くなることが報告されています。
以下の絵の赤色がついている部分で、マインドフルネス実践者は脳が変化していることが報告されています。
[Lazar, Sara W., et al. “Meditation experience is associated with increased cortical thickness.” Neuroreport 16.17 (2005): 1893.]
感情的疲労が溜まった医師70人にマインドフルネスを実施してもらったところ、疲労が25%回復し、マインドフルネスに習熟した人ほど疲労が大きく回復した結果が報告されています。
最後に、これは研究ではなく「New York Times」の記事ですが、マインドフルネスを導入した企業で、社員のストレス度が1/3になり、生産性が一人当たり年間30万円分、向上したことが報告されています。
[At Aetna, a C.E.O.’s Management by Mantra The New York Times (2015)]
このように、マインドフルネスは、きちんとした研究対象であり、脳科学的休息方法として注目されています。
まとめますと、マインドフルネスを行うことで、脳活動が変化し、大脳皮質が分厚くなり、精神疲労が回復し、最終的に生産性も向上すると示唆されています。
マインドフルネスにおすすめのアプリ
このように科学的にもマインドフルネスの効果は認められており、多くの人が実践したいと考えています。
とはいえ、先ほど説明した本に書いてあるような方法で、自分でマインドフルネスを実践し、継続していくことは難しいです。
「きちんとマインドフルネスできているのか?」
「あと何分だろう?」
などと気になりますし、なかなか習慣化することができません。
そこで最近では、マインドフルネスを支援し、逐次指示をしてくれる「アプリ」があります。
アプリを活用すると、マインドフルネスを楽に実施し、習慣化できるのでお勧めです。
私が実際に使用してみて良かったアプリを紹介します。
一般にマインドフルネスは座って行うことが多いのですが、私は仰向けに寝転がってやるのをお勧めしています。
座っていると、ちゃんと背筋が伸びているのか気になったり、身体に力が入ってしまいます。
脱力して寝転がって目をつぶってするのがおすすめです。
それではアプリを紹介します。
第1位:5分間の瞑想
私が普段使用しており、最もおすすめのアプリです。
1回あたり5分間の、ベーシックなマインドフルネスを指示、支援してくれるアプリです。
無料版では第1コースの「呼吸に集中」が体験できます。
呼吸のタイミングであったり、意識の向け方であったり、終了タイミングを指示してくれるので、素人でも非常に取り組みやすいです。
気に入ったら、600円程度で全28コースが購入できるので、実際に購入して1ヶ月試すのがおすすめです。
第2位:寝たまんまヨガ
厳密にはマインドフルネスではなく、ヨガのアプリです。
特徴は、その名の通り、寝たままできるということです。
またヨガといっても、身体を動かすわけではなく、中身としてはマインドフルネスとまったく同じ内容になっています。
ただ、「チャクラが・・・」とか、「精神が部屋いっぱいに広がります」とかヨガのスピリチュアルな表現が少し入ります。
そのへんの言葉を気にせず聞き流せるなら、おすすめです。
無料で2コース使用できて、第1段階の「呼吸に集中」と、第2段階の「ボディスキャン」ができます。この2つだけでも十分です。
以上がおすすめのアプリです。
そのほかに、「Zenify」、「マインドフルネス・アプリ」、「MEISOON」、「MYALO」を試しましたが、そこまでよくなかったです。
「5分間の瞑想」の無料コースと、「寝たまんまヨガ」の2つの無料コースをやってみて、マインドフルネスに興味が出れば、「5分間の瞑想」の全28コースを600円で購入して、1ヶ月実践するのがおすすめです。
最後に私が毎晩実勢している、ストレッチ&マインドフルネス法を紹介します。
ストレッチ&マインドフルネス法
普段私が実践しているマインドフルネス法は「ストレッチ&マインドフルネス法」です。
「ストレッチ&マインドフルネス法」は、最初5分間ストレッチポールの上で、仰向けに寝転んでリラックスしながら、アプリの「5分間の瞑想」を1コース(5分間)行い、その後10分間ストレッチポールでストレッチをするという方法です。
現代人はデスクワークやPC作業が増えて、身体を前にかがみこませて肩甲骨が前に出る、不自然な姿勢を長時間とっています。
この肩甲骨のゆがみが、背筋のゆがみ、猫背へと波及していくので、毎日肩甲骨のゆがみを治すことが重要です。
そのためにわざわざストレッチポールを使用しています。
身体がゆがんでいると、寝転がっても背中がぴたっと床にくっつきませんが、ストレッチポールの上に15分寝転がるだけで、肩甲骨の位置が修正され、みごとに背中が床にくっつきます。
ストレッチポールを用いた「ストレッチ&マインドフルネス法」は、1日のデスクワークによる身体の疲れを癒し、かつ脳の疲労も回復させるおすすめ作戦です。
ストレッチポールはお値段ピンきりで正規品は高いのですが、やはり固さ加減や耐久性を考えると正規品がおすすめです。
また、ストレッチポールにDVDがついてくるので、これだけでも十分ですが、本もあります。
また、マインドフルネス関係でおすすめの本は「世界のエリートがやっている最高の休息法」です。
本ページと、この本を読めば十分だと思います。
マインドフルネスが習慣化されると、精神的疲労の回復力がかなり変わり、人生の質が変わるのでぜひ試してみください。
次のページでは、「21世紀の喫煙の恐怖と脳科学的禁煙方法」を紹介します。
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