【図解:3分で解説】がん治療薬オプジーボとは:既存薬との違い、特徴、副作用、薬価問題

新型のがん治療薬オプジーボについて、これまでの治療薬との違い、特徴、副作用などを紹介します。

またその価格の高さから薬価改定問題でたびたび取り上げられましたが、その理由についても説明します。

※本記事は簡潔さを重視しています。詳細な情報や記事投稿日から情報更新されている点は、医師にご確認下さい。

オプジーボとは

オプジーボとは、「小野薬品工業」が開発した、がんの治療薬です。

一般名はニボルマブと言います。

オプジーボの特徴は、がん細胞への作用の仕方が、既存のがん治療薬と異なることです。

また、その値段の高さゆえに、頻繁にマスコミにも取り上げられています。

オプジーボのがん治療メカニズムは京都大学医学部の本庶佑(ほんじょたすく)博士の研究チームが発見し、ノーベル賞の候補にも挙がっています。

このように、オプジーボは新たなタイプのがん治療薬として、注目をあびている薬です。

次にオプジーボが、がん細胞を退治するメカニズムについて説明します。

オプジーボのメカニズムと今までのがん治療治療薬との違い

オプジーボと既存の治療や、薬との違いを説明します。

がん治療は主に3つの治療方法が用いられます。

①手術による切除、②放射線治療、③治療薬です。

そして治療薬を分類すると以下の3種類になります。

①抗がん薬:クスリの力で直接がん細胞を殺したり、細胞の増殖を防ぎます。身体の全細胞に影響があります

②分子標的薬:がん細胞の特徴に合わせて、がん細胞だけを殺したり、増殖を防ぎます

③ホルモン薬:主に乳がんの治療で使用され、特定のホルモンをコントロールして、がん細胞を減らします

これまではこの3種類の薬が使用されていました。

オプジーボはこの3種類のどれにも分類されない新たなタイプで

④「免疫チェックポイント阻害薬」

という分類になります。

オプジーボのメカニズムのメカニズムを説明します。

通常がん細胞は、免疫機能を持つ白血球(キラーT細胞)によって退治されます。

ですが、がん細胞はこの白血球の働きを抑える機能(PD-L1)を持っています。

そのため、がん細胞のPD-L1機能により白血球は力を発揮しきれず、がん細胞を退治できません。

ここにオプジーボを静脈から点滴注射で投与します。

投与されたオプジーボはがん細胞が白血球の働きを抑える機能(PD-L1)を阻害し、白血球がしっかりと働ける状態にしてくれます。

その結果、白血球が力を発揮し、免疫機能によりがん細胞が駆除されます。

こう聞くとオプジーボは万能なようですが、日本肺癌学会は「すべての患者に有効な『夢の新薬』ではない」としています。

対象となる癌:皮膚がん、肺がん、(乳がん、胃がんはまだ)

オプジーボが保険適用となっているのは

①切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ:皮膚のほくろの細胞などがが癌化したもの)

②切除不能な進行・再発の非小細胞肺(肺がんの一種で肺がんの8割を占める)

③手術不能か転移性の腎臓細胞がん

の3つです。

今後、他のがんへも適用拡大される見込みですが、乳がんや胃がんは現状対象外です。

オプジーボの副作用

オプジーボの軽微な副作用は、治験では80%の患者で副作用が見られているようです。

主な副作用は疲労、倦怠感、発疹、嘔吐、下痢などです [引用: 小野薬品HP]。

重篤な副作用が出る場合もあるので、医師と相談する必要があります。

特に問題なのは、免疫機能に影響するので、アレルギー反応(気管支けいれん、全身性の皮膚症状、低血圧など)を起こしたことがある方は、重いアレルギー反応が出る可能性があるため、オプジーボの治療は受けられないようです。

[引用: 小野薬品HP]

また、オプジーボは、自身の免疫機能でがん細胞を退治するので、体力が落ちている人や高齢者では効果が期待できず、使えないようです。

オプジーボをめぐる薬価改定問題

オプジーボは日本では2014年、切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)に対して承認されました。

メラノーマは、日本人では10万人に1人、年間4000人程度といわれる珍しい病気です。

そのため、高額な新薬開発費を少ない患者数で回収するために、国は非常に高い薬価をオプジーボに設定しました。

しかし翌年2015年12月には切除不能な進行・再発の非小細胞がんにも適応になりました。

オプジーボが適用される非小細胞肺がん患者は年10万人強であり、最初にメラノーマ基準で薬価を高額に設定したのに、対象患者数が20倍以上に増えたのです。

そのため、国の医療費が莫大となってしまい、社会問題となりました。

その結果、かなりイレギュラーな形でオプジーボは昨年薬価引き下げとなりました。

今回の薬価をめぐる問題は、正直、誰かが悪いわけではなく、あまりにもオプジーボがその作用メカニズム、応用可能性において革新的過ぎたために、行政ルールが対応し切れなかったのだと私は考えています。

まとめ:我々はどう向き合うべきか

オプジーボの国内販売価格は、100mgがワンボトルで73万円です。

体重60キロの患者さんが1年間オプジーボを使うと、年間3500万円かかるそうです(年に26回投与)。

しかし、高額療養費制度があるため、実際の患者さんが支払うのは月約8万円×12ヶ月で約100万円です。

そのため残りの3,400万円は税金で負担です。

患者さん一人で3,400万円です。

これは薬価引き下げ前の話ですが、現在でも1,000万円以上が税金負担です。

これは国の福祉の問題となります。

例えば喫煙者が肺がんになった場合に、非喫煙者が喫煙による癌患者のためにオプジーボの治療費1,000万円以上を税金負担するのでしょうか?

「免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)」という新たながん治療方法を生み出したオプジーボは革新的であり、応用可能性が高い薬です。

今後はオプジーボとその他の薬との併用での治験が進み、ますます適用疾患が増えると思います。

と同時に、ますます国の医療や、がん治療、国民皆保険などの制度に関する議論が行なわれると思います。

これらの議論についていくためにも、オプジーボのメカニズムをぜひぼんやりとでも覚えておくと役に立つと思います。

以上、がん治療薬オプジーボの紹介でした。

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