「論語」の各章の意味を、AI時代の文脈で読むとどう意味しているのか、子供にも分かるように紹介します。
本日は、学而篇の第5章「道千乗之国」です。
学而篇 第5章
千乗の国を道(おさ)むるには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時を以(もっ)てす。
(意味)
立派な国を築き治めるには、
①慎重に物事をすすめ信用を失わないようすること
②費用を節約すること
③国民を愛すること
④国民を徴用する際には農作を妨げない時期を選ぶこと
これらが大切です。
(説明)
千乗の国は戦車1千台を持つ国という意味で、立派な大国を意味します。
敬しては、慎重という意味です。
ここまで論語は個人の生き方について述べてきましたが、学而篇第5章はリーダー論になっています。
このようなリーダー論を渋沢栄一をはじめ、幕末・明治時代を切り開いた人たちは学び、その土台の上にヨーロッパの科学技術を適用したため、豊かな国づくりに成功しました。
論語の学而篇第5章は
◎リーダーが国や組織を運営するうえで大切な4つのこと
を伝えている章になります。
AI時代の読み方
この章をAI時代の現代の文脈で考察します。
リーダーの大切な4つのことを述べています。
各々見ていきます。
①慎重に物事をすすめ信用を失わないようすること
これは国のリーダーであっても、企業のリーダー、課レベルのリーダーであってもみんな同じことです。
特に慎重に物事を考えずに進めて、部下を振り回したりすると部下の信用を失います。
また最近(2017年6月)では、大学設置問題で信用を失いかけたりもしています。
②費用を節約すること
これはあまり企業レベルでは当てはまりませんが、国レベルではかなり当てはまります。
大学で科研費などの研究予算に関わったり、国などの公的資金の申請した人は実感があると思います。
国の会計は単年度会計なので、その年に予算として出したものは、必ず使い切らなければいけません。
残すことは許されないです(基本的に。年度繰越が最近可能になったのもありますが最終的には全部使い切る必要があります)。
普通、少ない予算でできました!!って良いことのようですが、国の会計ではこれが通用しないのです。
不思議な習慣です。
③国民を愛すること
これは抽象的で難しいですが、小さな組織レベルであればリーダーは部下を愛していることが大切です。
愛しているというと語弊がありますが、仁の心をもって部下と接することが大切です。
仁の心とは思いやりですが、詳しくは論語で少しずつ説明されるので、ぜひ通読して実感してください。
④国民を徴用する際には農作を妨げない時期を選ぶこと
昔の言葉では農作が対象ですが、現代では企業のリーダーは、部下の仕事量を考えて仕事を割り振ることが大切となります。
プライベートが犠牲になるほど仕事をまかせては良くないです。
昨今のブラック企業問題や働き方改革などですね。
あまり深みのない考察となりましたが、孔子が2500年前に言っている注意点は現代でも当てはまるものばかりです。
また今後AI時代が加速し、いろいろな仕事がAIに置き換わるなかで、リーダーシップというのは重要度を増す要素です。
論語で少しずつリーダーシップ論を学ぶことが大切です。
まとめ
千乗の国を道(おさ)むるには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時を以(もっ)てす。
(意味)
立派な国を築き治めるには、
①慎重に物事をすすめ信用を失わないようすること
②費用を節約すること
③国民を愛すること
④国民を徴用する際には農作を妨げない時期を選ぶこと
これらが大切です。
論語の学而篇第5章は、
◎リーダーが国や組織を運営するうえで大切な4つのこと
を伝えている章になります。
ますますリーダーシップが重要となるAI時代だからこそ、論語からリーダー論を学ぶことが大切です。
⇒次のページへ
⇒TOPページへ