就活生に会うとお話する、私なりの就職活動アドバイスの内容をまとめてみました。
・VUCAな時代における、企業分析・自己分析のベン図利用法
・受かるESの書き方、選考の受け方
のふたつを紹介します。
本内容は私個人の考え方なので正解ではないですし、ひとつの参考程度にしていただければと思います。
最近学生とお話する機会をいただき、皆さん本当に将来のことを、不安一杯、精一杯真剣に考えていて、とても素晴らしいな~と感じます。
そのなかで私が学生とお話した内容をまとめてみました。
VUCAな時代のCan、Want、Mustの使い方
最近の就活生は
「Can、Want、Must(Should)の3枠の重なった部分を探しましょう」
的な話を知っている学生が多いように感じます。
元々はアメリカの組織心理学者のシャインという方が提唱していた概念で、日本では少し変化して使われています。
・自己分析とは、Can、Wantを明らかにすること
・企業研究とは、Mustを明らかにすること
・これら3つの重なった部分にある企業を選択しよう
そういった使われ方が多いように感じます。
それはそれで間違えではないですが、昨今の時代それでは不十分だと、私は感じています。
まず大前提として、現代は「VUCAの時代」と呼ばれています。
VUCAとは
・Volatility(変動性)
・Uncertainty(不確実性)
・Complexity(複雑性)
・Ambiguity(曖昧性)
の頭文字を示し、現代の経営環境がいかに困難であるかを示すワードです。
実際誰も、東芝やSHARPのような大企業が、現在のような状況になるとは想像していませんでした。
この時代においては、Can、Want、Mustの3象限が重なった
「自分にとって現段階で最大限マッチする会社を選ぶ」
という考え方だけでは不十分だと思っています。
世界や日本が安定成長の時代であればそれで良かったですが、現在は
・何が起こるか分からない(いつ就職した会社が倒産しても不思議でない)
・人生100年時代と言われ、いつまでも稼ぐ力を必要とされる
そんな時代だからです。
このVUCAな時代、就活で一番重要な考え方は
「就職した会社がいつ倒産しても、社会から必要とされる能力を身につけられる会社」
を選ぶことです。
たとえどんなにその会社で給料がたくさんもらえても、「その会社のビジネスモデルでしか通用しない能力」しか身につかないようでは困ります。
会社が倒産して放り出されたら、食っていけなくなります。
就職した会社がいつ倒産したとしても、社会から必要される能力が身についていて、すぐさま、かつ年収が下がらずに転職できることが、自分、家族、将来の嫁(夫)、子供たちを守るために重要です。
そんなVUCAな時代での私なりの企業研究と自己分析は以下の図の通りです。
多くの学生は①と②、そして⑧にばかり目が行っているように感じます。
①の現段階での最適領域が大きく、②のやりたくない仕事が小さい、そして矢印⑧の会社の成長性が期待できる、そんな会社を選ぶことに焦点が当たっている学生が多いように感じます。
この時代ではむしろ、③自分にとって成長を生み出す仕事や、④会社にとって新規挑戦となる仕事、このあたりの仕事にどれくらい挑戦できるかが重要です。
この③、④の仕事が自分のCanを広げる矢印⑥につながります。
さらに、自分のCanを広げるもうひとつの矢印である、矢印⑤:自分がどう成長し、どんな能力を身につけたいか、がとくに重要です。
この先々、自分でこの日本や世界がどうなるのかを考え、自分がどんな能力を身につければ良いのかを考える、つまりこの矢印⑤を考えることが、自己分析では非常に重要になります。
その観点がすっぽりと抜けている学生が多くいるように感じます。
ある程度矢印⑤が自分の中でできてこそ他人や社員の方と議論が可能となり、ブラッシュアップして、今後の社会で自分が身につけるべき能力が明らかになります。
こうしてブラッシュアップした矢印⑤を最大化できる会社を選ぶのが大切です。
どんな会社でも仕事をしていればそれなりに成長することはできます。ただ、その成長方向が本当に時代が必要とする方向と一致していることが重要です。
つまり矢印⑤と矢印⑥が一致するほど嬉しいです。
最初に就職する会社で
「この先の残りの人生(約60年間)、社会で貢献してお金を生み出す、その土台となる能力を身につける」
という点を考慮する必要があります。
やはり若い頃の方が、学習や成長の速度は早いです。
歳をとってからだと同じ内容でも、吸収速度が遅くなります。
若い時期も無駄すると後で大変になります。
また⑦の自分のWantが広がる会社、つまり視野が広がるという観点も重要です。
矢印⑦につながる仕事が多そうかは、社員の方の体験を聞いてみると良いと思います。
いまどき、会社はあなたを守ってくれないです。
今回紹介した図の考え方だけが正解ではありませんが、
・良い会社に選ぶ
・良い会社に入れば安泰
という思考ではなく
・どんな時代でも食っていける自分に成長させられる会社を選ぶ
のを、私はおすすめしています。
どんな時代でも食っていける能力ってなんやねん?って感じですが、私なりにまとめたのが以下の記事になります。
ひとつ参考にしていただければと思います。
受かるESの書き方、選考の受け方
ESの書き方、選考の受け方でいつもアドバイスしているのは、以下の3点(能力、人間性、入社意思)が伝わるようにと言っています。
1.自分には御社で働ける能力(少なくとも昨年の新入社員以上の能力)があることと、成長力と学習意欲が高く、その能力は今後さらにアップすること
2. 自分は御社で楽しく働け、自分の同期の新入社員、先輩社員、上司も自分と一緒で楽しく働けること
3. 内定もらえればぜひとも入社したいということ
これらがESや選考で伝わるようにとアドバイスしています。
ESとは履歴書の延長で、履歴書に書けなかった自分の経験を書くもの
もしくは
ESとは企業が設定した質問項目に該当する自分の経験を紹介するもの
だと勘違いしている学生がたまにいますが、そうではありません。
ESはここに挙げた3点(能力、人間性、入社意思)を、自分のこれまでの経験を根拠として、会社に説得する提案書です。
ここに挙げた3点が説得されて、なお選考から落とす会社は普通ないです。
まとめ
記事冒頭でも書きましたが、本内容は私個人の考え方なので正解ではないです。
ひとつの参考程度にしていただければと思います。
以上、ご一読いただきありがとうございました。