タバコをやめる!脳科学と心理学に基づく科学的禁煙方法|健康シリーズ⑤

脳科学と心理学の知識に基づき、脳の仕組みからタバコをやめて、禁煙する方法を紹介します。

本記事を読んでくださっている方は、自分や周りに喫煙者がいて、多少なりとも「タバコの害」や「禁煙」に興味があるかと思います。

タバコを吸っている人であれば、誰もがタバコは健康に良くないと分かっており、多くの人が禁煙を試みたことがあるのではと思います。

ですが、ほとんどの人は禁煙に失敗します。

「禁煙外来で治療して、一度は止められたが、再度吸ってしまっている」

という方も多いと思います。

なぜこれほどまでに禁煙は難しいのでしょうか?

禁煙に失敗するのは、「タバコと脳の仕組み」、そして「禁煙と心理学」の関係を理解していないからです。

逆に言いますと、タバコに関する脳科学・心理学の知識を知ることができれば、禁煙に成功する確率がグ~ンとあがります。

かくいう私も7年以上、1日1箱のタバコを吸っていて、何度も禁煙を試みては失敗していました。

ですが、このタバコの脳科学・心理学を応用することで、すぱっと止めることができ、禁煙に成功しました。

本記事では、そんなタバコに関する脳科学・心理学的知識と、自分を被験者にした実験から得た「科学的禁煙方法」を紹介します。

まずはじめに、

①タバコを吸うことによる、健康被害、金銭被害について説明します。

「そんなの分かっているよ」という方も多いかもしれません。

ですが本記事では、一般に言われている範囲を超えて、iPS細胞やオプジーボなど医療技術が進歩している現在の状況から、この先20年の医療技術の進歩を考慮したうえで、喫煙の危険性を説明します。

次に

②なぜ禁煙してすぐにタバコを吸いたくなるのか、脳の仕組みを紹介します。

最後に、

③脳科学・心理学をベースにした禁煙方法

を紹介します。

それではよろしくお願いします。

タバコを吸うことによる、健康被害、金銭被害

まずはじめに、喫煙による健康被害とお財布の金銭被害について紹介します。

あらためて、喫煙がもたらす害を整理してみてください。

タバコによる健康被害

まずはじめに、タバコを吸うことによる健康被害を紹介します。

タバコによる健康被害は、タバコに含まれる、タール、ニコチン、一酸化炭素が原因です。

タバコを1本吸うごとに、確実に肺の肺胞(肺の細胞)が壊されます。

そのため、喫煙者は息切れが起こりやすくなります。

さらに、長期間吸っていると、せき、たんが多くなり、 気管支炎、肺気腫などの呼吸器系疾患をわずらう確率が高まります。

また、癌の原因の約30パーセントは喫煙が占めています。

喫煙者は非喫煙者の4.5倍も肺がんになりやすいです。

また、タバコを吸うことにより、食道がん、肝臓がん、すい臓がんなど、治療が難しいがんになる確率も高くなります。

さらに、ニコチンや一酸化炭素の影響で、血圧上昇、心拍数増加、抹消血管収縮が起こります。

その結果、心筋梗塞・狭心症などになりやすくなります。

さらに厄介なのが、脳の血流の悪化により、脳梗塞などの脳血管障害を引き起こしやすくなることです。

脳梗塞を引き起こすと、脳の神経が壊死して、認知症を誘発しやすくなります

このように、タバコを吸い続けることで、次の4つの疾患タイプにかかりやすくなります。

①肺や気管に関する呼吸器疾患

②肺がんをはじめとする各種癌

③高血圧や心臓疾患

④脳梗塞からの認知症

※IQOSアイコスならどうなのか、という疑問はあるかと思いますが、現状の研究では分かっておりません。タールを吸う量が減った分、健康被害が減るかもしれませんが、ニコチン量はそのままですし、別の新たな問題が生まれている可能性もあります。

このように病気にかかりやすくなるため、タバコを吸い続けると寿命は短くなります。

タバコが寿命に与える影響についてはいろいろな研究結果がありますが、タバコを1日1箱吸っていると寿命が10年縮むといわれています。

ただし、この寿命の話は今後どうなるかは分かりません。

私は今後、喫煙者の寿命が伸びると考えています。

なぜなら、医療技術が進歩しているからです。

たとえば、iPS細胞を使用した心筋シートの臨床研究や、オプジーボなどの新たなタイプのがん治療薬が開発されています。

医療技術の進歩により、4つの疾患タイプのうち、呼吸器疾患、がん、心疾患の治療は今後かなり進歩していきます。

ですが、4つ目の認知症になった場合は、その進行を遅らせることはできても、治療・回復させるすべは現在ありません。

また、「認知症が完全回復する治療方法」が開発される見込みも、現在のところありません。

すると喫煙者は年齢を重ねた場合に、心臓や血管、肺は治療して元気なのに、認知症だけが進行します。

喫煙を続けることで、身体だけ健康で脳だけが病気になり、ずっと認知症で人生の後半30年を過ごす

そんな状態になれば、どうなるのか?

多大な金銭の出費、周りの家族の介護の大変さ、自分の人生のむなしさ・・・

想像できるかと思います。

これが今後の社会で予想される、タバコの最大の健康被害です。

※現在、認知症を患っている方を否定するつもりはありません。それに認知症の原因はタバコだけではありません。私の祖母も認知症です。ちゃんと私のことを認識してなさそうですが、それでも生きていてくれて会えるだけで嬉しいです。とはいえ、タバコを止めて認知症の可能性を下げられるのであれば、それに越したことはないと思います。

つぎにタバコの金銭被害について紹介します。

タバコの金銭被害

タバコ1箱だいたい450円くらいです。

毎日1箱吸うと、月に13,000円、年間で16万円です。

これが、30歳から80歳まで続くとすれば、800万円です。

あなたがもし今30歳で禁煙したとすれば、80歳までの間に、800万円節約できることになります。

ただし、これはタバコの1箱の値段が、450円のままの想定です。

現在でも海外の方がタバコ代が高いのはご存知だと思います。

イギリスやフランス、オーストラリアではタバコ1箱1,000円を超えます。

冷静に考えてみてください。

タバコを喫煙したりメタボであったりで、健康に気を遣わずに生きてきた人間がいます。

そんな人が年齢を重ねたときに、肺がんなどの病気になります。

最近ではオプジーボをはじめ超高額な治療薬や、高度な手術が増えてきています。

不摂生をした人間がこうした高額な治療法で、病気を治療し、しかも金銭的負担は3割ですむのです。

実際は高額療養費制度があるので、3割負担でなく、月8万円程度で済みます。

残りの治療費は税金から負担されます。

この税金は、健康に気を遣ってきた人間が納めた税金です。

「いやいやタバコ税払っているよ」と言う喫煙者もいると思いますが、もはやタバコ税では、喫煙に起因する疾患の医療費はまかなえていません。

そして、今後医療技術が進むにつれ、さらに高額で有能な薬や手術方法が増えていくでしょう。

すると、不摂生した人間はほとんど税金で高額で高度な治療を受けて元気になり、健康に気を遣って、ジム代やら食費やらを余計に出費して頑張ってきた人は、どんどん健康保険の税金だけ吸い取られる。

日本は国民皆一律保険なため、現状このような、

「健康に気をつけた人が金銭的に損する」というアンバランスで不公平な状態になっており、その不公平さは今後さらに拡大します。

この状態を、国民や政府がほっておくとは思えません。

そのため、今後タバコの値段はますます上がります。

場合によってはマイナンバーと喫煙情報や健康情報がひもづいて、「喫煙者だけ健康保険料が上がる」、そんな金銭リスクを想定しておく必要があります。

そのため、今後たばこを吸い続けると、金銭的にもどんどん負担は大きくなると思われます

タバコを吸い続けるのであれば、その覚悟を持っていてください。

しかし、身体やお財布に悪いと分かっていても、やめられないのがタバコです。

次に、なぜタバコをやめられないのか、脳科学的な説明を分かりやすく行います。

タバコがやめられない脳科学的理由

タバコをなかなかやめられない脳科学的な理由を説明します。

それはタバコに含まれる「ニコチン」に依存性があるからです。

なお、IQOSアイコスのニコチンの量は、通常のタバコと変わらないです。

タバコの煙に含まれるニコチンは、肺に入ったあと血管に取り込まれ、脳内に到達します。

ニコチンは、脳内の神経と神経の間(シナプス)で情報を伝達する「アセチルコリン」という物質と、とても似た分子構造をしています。

アセチルコリンは血流の調整や自律神経の調整、さらに快楽物質ドーパミンの分泌など、脳と身体のさまざまな機能を制御しています。

「ニコチン」が脳内に到達すると、神経細胞の「アセチルコリン」が作用する場所(レセプター)に、間違えて「ニコチン」がくっついて作用してしまいます。

通常「アセチルコリン」の場合はアセチルコリンレセプターにくっついても、短時間しか作用せず、すぐに分解されてしまいます。

しかし「ニコチン」は分解速度が遅いため、アセチルコリンレセプターを長時間刺激し続けます。

このように「ニコチン」により「アセチルコリンレセプター」が長時間刺激されることが習慣化されると、アセチルコリンレセプターの働きがにぶくなります。

すると、通常のアセチルコリンの働きだけではきちんと脳が作用しなくなります。

脳がきちんと作用しないため「脳がアセチルコリンが足りないよ~」と感じます。

これが、「タバコを吸いたい」という気持ちを生み出します。

ここでタバコを吸うと、アセチルコリンレセプターにニコチンがくっついて、脳が通常の状態になります。

またこのときに、アセチルコリンレセプターから、いつくかの作用を経て、快楽物質であるドーパミンが放出されます。

そのため、タバコを吸うことで落ち着き、満足します。

しかし、またニコチンが分解されると、「脳がアセチルコリンが足りないよ~」と感じ、タバコを吸いたくなります。

これがタバコの依存性のメカニズムです。

このように、喫煙が習慣化されると、アセチルコリンレセプターの働きが通常よりも鈍くなります

そのためタバコをやめようと禁煙を始めても、「脳がアセチルコリンが足りないよ~」と、命令し、喫煙を促してきます。

このアセチルコリンレセプターの働きが健常者と同じ状態に戻るのに、1ヶ月かかります。

そのため、この1ヶ月は本能的に脳がタバコを欲しがるのです。

また心理学では、「タバコを吸う」という行動習慣の記憶を、脳から忘却させるのに3ヶ月かかると言われています。

脳科学的・心理学的禁煙方法

最後に、脳科学的・心理学的禁煙方法について紹介します。

アセチルコリンレセプターが健常者と同じレベルにまで戻る1~3ヶ月間と、その後に分けて説明します。

1~3ヶ月目までの禁煙方法

1~3ヶ月目までの禁煙は、脳のアセチルコリンレセプターの問題なので、本能的に脳がタバコ(ニコチン)を欲します。

これを意思の力で我慢して禁煙するのは難しいです。

そこで病院の「禁煙外来」を利用するのがお勧めです。

禁煙外来は、2~3ヶ月の間に5回程度の通院し、基本的にバレニクリン(一般名:チャンピックス)という薬が処方されます。

治療開始1週間はタバコを吸ってもよく、だんだん自然と吸わなくなります。

バレニクリンという薬は、ニコチンと同様に、アセチルコリンレセプターにくっつきます。

そのためバレニクリンを飲んでいると、タバコを吸ってもバレニクリンが邪魔で、ニコチンがアセチルコリンレセプターにくっつくことができず、喫煙によるドーパミンが放出されません。

その結果、喫煙による満足感が得られないようになり、タバコを吸うという行動習慣を止めることができます。

一方でバレニクリンはニコチンほど作用が強くないため、アセチルコリンレセプターへの刺激は比較的少ないです。

そのため、にぶくなったアセチルコリンレセプターを徐々に健常者の状態へと近づけてくれます。

このように禁煙外来で処方される薬によって、タバコを吸いたいという気持ちを抑えつつ、にぶくなったアセチルコリンレセプターを健常者の状態へと近づけるのが1~3ヶ月目の禁煙に最も有効な手段です。

禁煙治療には健康保険が適用されるので、診断と薬代で5回トータルで、実質負担は1万5千円から2万円程度です。

想像以上に安いです。

このように3ヶ月目までの禁煙は、脳科学的知見に従い、禁煙外来で薬の力を利用して、禁煙に取り組むことが最も成功率が高いです。

3ヶ月目以降の禁煙

3ヶ月目以降に禁煙を続けるこつを紹介します。

3ヶ月目以降は脳がタバコ(ニコチン)を本能的に欲することはありません。

ただ、あなたの意思で「タバコを吸いたい」と感じて吸ってしまいます。

この3ヶ月目以降の禁煙を続けるこつが、2つあります。

1つ目は「禁煙する将来の自分に強い願望を持つ」ことです。

「喫煙を続けた将来の自分」と「禁煙をした将来の自分」を比べ、心の底から「禁煙をした将来の自分」になりたいと望むことです。

心理学的に、「人は自分の願望を適えるために最適な行動を選択する」という考え方があります。

つまり、「禁煙をした将来の自分」が願望にあれば、タバコを吸いたいという気持ちに勝つことができます。

そこで、重要なのは、「なぜあなたは禁煙したいのですか?」という問いです。

私がたばこを止めたのは「結婚」がきっかけでした。

大学院修士課程を卒業し、博士課程に入学してすぐに結婚したので、ほとんど給料がありませんでした。

そのため、結婚したければ、たばこを止めて、たばこ代を生活費に回すしかなかったのです。

「喫煙を続けて、結婚できない自分」よりも「たばこをやめ、愛する人と結婚する自分」を望んだため、そこからたばこを止めることができました。

現在では、金銭的余裕はあるのでたばこを買うことはできるのですが

「喫煙を続けて、認知症になって、妻や子供に介護の迷惑をかける自分」

よりも
「たばこを吸わず、元気で健康に妻より長生きして、妻にさびしい思いや苦労をかけない自分」

になりたいと強く願っているので、たばこを吸いません。

あなたが禁煙する理由を明確にし、禁煙する自分に対して強い願望を持つことが心理学的なコツのひとつです。

さらに、もうひとつのこつを紹介します。

2つ目の禁煙を続けるこつは、「酔うまでお酒を飲まないこと」です。

お酒を飲みすぎて酔うと、どうしても理性が薄くなります。

忘れ物をしたりもしますし、注意力も低下します。

過去私の禁煙経験を考えてると、たばこを再度吸ってしまうのが、だいたいお酒を飲みすぎたときでした。

飲み会で気分が良くなり、もらいたばこをしてしまったり・・・

帰りに我慢できずコンビニでたばこ買って公園で吸ったり・・・

アルコールを飲みすぎて酔った状態になると、大脳皮質の活動が麻痺し、脳の意思力(ブレーキ)が低下してしまいます。

そこで、酔うまでお酒を飲まない「マイルール」を作ることをお勧めします。

私は一番厳しいルールを自分に課しており、「いっさいお酒は飲まない」と決めています。

私の場合、結婚のための禁煙でしたし、一番きついルールです。

これは現在もずっと守っています。

ただ、「いっさいお酒は飲まない」は厳しいので、
たとえば
「乾杯1杯、飲みたいの1杯、合計2杯までしかアルコールは飲まない」などがお勧めです。

禁煙をするのと同時に、お酒に酔う状態にならないようなマイルールを決めるのが、2つ目のこつです。

ちなみに禁煙をすれば、肺がん発生率は減少し、20年以上禁煙を続ければ、肺がん発生率はたばこを吸わない人とほぼ同じになります。

以上、脳科学的、心理学的な禁煙方法について紹介しました。

①禁煙外来に行き、薬をもらう

②禁煙する理由を決め、禁煙した将来の自分に強い願望を持つ

③お酒に酔わないルールを定める

この3つを実行すれば、多くの人が禁煙することができます。

禁煙を考えている人にとって、本記事が何か手助けになれば幸いです。

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